『ヒロ、おいで』
李人が僕に向かって手招きしている
『なに?』
近づくと手首を掴まれて、引き寄せられた
『うわっと…な、何?』
『いや、なんか…可愛いと思ってさ』
顔が近づく
見れば見るほど整った顔立ちをしている
いつも面白そうに煌めく茶色い瞳
形よく弓なりな眉…筋の通った鼻梁
よく笑う薄い唇
その唇につい目が引き寄せられる
『可愛くなんか…』
『真っ赤だよ』
そうなんだろうか?
ど、どうしよう
『…手を、離してよ』
『いやだ』
言うなり、抱き締められた
頭が真っ白になる
えっ?
こ、これは一体…
『いや、ちょっと、まずいってば、李人!』
『いやだ!』
『だ、ダメだって…目を…目を覚ませったら!
李人!』
…
「ヒロ」
「ダメだって…」
「…ヒロってば!」
…ん?
…
………うわあっ!
目の前に、心配そうな李人がいる
僕の布団に被さるように…布団…あれ?
「目、覚めたな?あー驚いた、お前いきなり叫ぶんだもん」
がばっと跳ね起きる
「な、なんて?」
「ん、目を覚ませ李人!とかww覚ますのはお前だよ」
…ごもっとも