「落ち着くわ辰巳にこうしていると…」
「美咲さん?」
「ねぇ辰巳さん」
美咲さんは潤んだ瞳で俺を見上げ目蓋を閉じた
「美咲さん不味いですよ、仮にも勝とは古い仲ですしこの関係を壊したくないですから」
すると美咲さんは目を開け涙をいっぱい溜めた瞳で俺を見上げ
「あたしね、一番最初に辰巳さんに会った時からこうなりたかったの…」
「えっ?最初に会った時からですか?」
「そうよ、あのカラオケボックス行った時から…」
あれは何年前だっただろうか私達は友人何人かと一緒にカラオケボックスに行った
勝と一緒に美咲さんも来ていて私達は隣同士に座っていた
そしたらいきなり私の腕にしがみついて来てビックリしたのを思い出した
その時は美咲さんはかなり酔っていたのでその勢いだと思っていた
「あの時は酔った勢いだったと思ったけど、今考えたら本能がそうさせたのかも知れない…」
続けて
「その頃位からかな…勝さんのDVが始まったのは…あたしが上の空みたいになっていたので勝さんは面白くなかったのでしょうね…」
「じゃあ勝のDVは俺も一枚絡んでいるんですか?」
「そうよ!辰巳さんも絡んでいるのよ!」
俺は申し訳なさそうに俯くと
「冗談よ、ただタイミングが悪かったの…勝さんも仕事で色々ストレス溜めていた時だったから…あたしがちゃんと支えてあげればこんな事にはならなかったのよ…」
「美咲さん…」
すると