サヤは僕が今まで付き合った女の子では一番美人だった。スタイルもよく、女子アナみたいな澄んだ声。性格が悪いわけでもない。
ただ、ちょっとやきもちやき。そこも可愛いかなって思ってる。
僕は二十歳になる妹の宏美と古いマンションに同居している。仲はいいけど、お互いあまり干渉しなくなった。妹は事務員で、見た目は悪くないけど目立たない女の子。いつもメガネをかけていて、コンタクトは滅多にしない。
サヤはウチに来るとよく妹に話しかける。最近では意気投合して僕より仲良しだ。美人のサヤは妹には憧れの対象。そしてサヤにとって宏美は磨かれてない秘密の宝物…だそうだ。
「おおげさだな」
「あら、宏美ちゃん結構可愛いのよ。」
サヤと宏美が仲良くなるほど、なぜか宏美は僕とあまり話さなくなった。
「なんかオレだけのけものみたいで寂しいよ」
「私がサヤさん取っちゃったからね」
でも、そんな関係も悪くないな、と思ってた。
サヤは宏美がいない時は、無性に甘えて来る。嫌な感じはしないが、ちょっとおかしい感じがしてた。
それから間もなく、すべてに納得することが起きた。