拓也が私達親子を連れて行った映画館は私がはじめて行く街のレトロな建物の小さな映画館でした
都会のメジャーな大きな映画館に慣れた私はお洒落してきた服装が場違いの様な懐かしい様な、そんな中を拓也は先々と私達を先導して館内に入りました
真っ暗な館内に目が慣れるまで少し間があってぼんやりと館内の様子が見えてきて、やはり空席の目立つ?数える程の数人しか入っていませんでした
しかし直ぐに暗い場内に足元に気を付けながら離れない様に娘の後を追いました
何故か?いっぱい空席なのに拓也は上段の後方の席に拓也への警戒心も高まっていきました
勿論、拓也が私にスカートを捲って痴〇してくる事は想定内でしたが娘も一緒だから娘にわからない様にしないと…拓也も大胆な事はしないと思っていました
拓也がする事には拒めない、私が拒めば娘が拓也に…と思いながらも拓也の導きで
後方中央の座席に座り座席は香緒里、拓也、私と座り拓也を挟んだ座席に拓也が壁になって私を隠してくれれば香緒里からはわからないと思っていました
そんな思いとは裏腹に拓也の身体の重心はやや娘の香緒里の方に傾いている様な気がしました
私の取り越し苦労で何もなければと思いながら私は拓也に付きつ離れずスクリーンに目を向けましたが…
拓也が香緒里にと気になって映画には集中は出来ません
チラチラと拓也の両手に視線を落としながら拓也に私が誘ってると誤解されても困るので拓也に気付かれない様に気を配りました