あの日…初夏の熱い日の昼間も緒菜子は一人、冷蔵庫からカップのアイスを出して頬張りながら家に居ました
「ピンポン ピンポーン」
『は〜い』
『あっ!!大家さん、両親は両方とも居ないですけど…』
『オッ!!良いのを食べてるなぁ…私にも冷たい水を飲ませてよ…』と言いながら居間に入って来て座っていました
大家さんは水を飲みながら話し始めて…
『家賃は夜にでも母が…』『うん、わかってるわかってる』
『緒菜子ちゃんも大きくなって……昔の事を覚えてる?』
『エェーー!!何の事ですか???』
『塾に行けない緒菜子ちゃんが塾に行きたいって夜に塾の外でウロウロして、塾の管理人さんが飼っていた黒い大型犬が寝てるのを緒菜子ちゃんが知らずに犬のお腹に乗って、驚いた犬に足を噛まれて…俺が知らせを聞いて飛んで行ったら緒菜子ちゃん大泣きしてただろ…』
『あぁ…あの時は暗闇で黒い犬に気付かないで…忘れるどころか今でも私の足に犬の歯形が残って…』
『そうなんだ…どんな具合に痕が残ったの?』と言う大家さんの問いに
私は大家さんの前に足を投げ出して、膝上のスカートで隠れた噛まれた痕を少しスカートを上げて大家さんに見せました