[PR]
オススメ広告

モノクロの世界で12

翠蓮 2013-02-23投稿
閲覧数[2901] 良い投票[0] 悪い投票[0]

―――・・・・?



気づくと、俺は仰向けで寝転がっていた。

視界にあるのは雲一つない青空だけで、現状が把握できずポカンと放心状態。

数秒程経ち、ようやく起き上がる。
辺りを見回し今いるこの場所が屋上だと理解した。


「…っ!」

同時に、自分の服装が乱れていることにも気付く。
それも変態並みに。


そして脳裏に浮かんだ須藤の悪戯な笑み。

じわじわと滲み甦る記憶は、俺の頬を熱くさせてゆく。


…そうだ。
俺は、アイツに、
…須藤に、
ヤられ…
…いや、ヤられてはいな…い、か?

ヤられかけ、…違うか。
少し遊ばれただけ…



あれ、何を言っているんだ俺は。


…とにかく。

俺は須藤に、屈辱的な行為を強いられたんだ。




改めて辺りを見回すが、須藤の姿は見えなかった。
それもそうだ。
別校舎に付いてある時計を見れば時刻は2時。
昼休みなんかとっくに終わって、もう午後の授業が始まっている。



「…はぁ」

だけど今の俺には授業に遅刻していることよりも、昼休みの時のことで頭がいっぱいだった。





…あんな展開はあまりにも予想外だった。
思いながら、赤く擦れてヒリヒリ痛む手首を見つめる。

喧嘩上等の心構えで殴り込んだ。体格差で敵わないのは分かっていたから、返り討ちに遭うのも承知していた。


でも拳に対しアイツが返してきたのは愛撫の手。

与えられたのは痛みじゃなく性的快楽で。


・・・つくづく、
アイツの思考回路はよく解らない。


ボコるより、屈辱感を与えるほうが効果あるとでも思ったのだろうか。


それとも須藤はアレか。
ホモなのか。

だとしたら何で女遊びが酷いのか解らない。



・・・・・。

「…どーでもいいか」

溜め息混じりにそう呟いた。
アイツのことであれこれ考えるなんて
時間の無駄に過ぎない。やめよう。


須藤についての思考を遮断し、乱れた制服を整え、教室へ移動しようと立ち上がった、..その時。


ブレザーの、ポケットに入っている携帯が小刻みに震えた。


「…?」

知らないアドレスだった。
それもそうだろう。

他人と関わりたくない俺は、親の電話番号しか登録していないのだから。


不思議に感じながらもボタンを押す。


内容を読んで、眉をしかめた。


"今から視聴覚室へGo!"


…なんだこれ…。

その訳の分からない内容の下に、3つの矢印が下向きでついている。


「…??」

気になって矢印の方向に従う。








目を、見開いた。


そこにあったのは、俺の写真。
ヤられた時の、恥ずかしいあの格好。




…送り主が分かった。

俺は、視聴覚室へ走った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「翠蓮」の官能小説

もっと見る

ボーイズラブの新着官能小説

もっと見る

[PR]
i-mobile
オススメ広告


▲ページトップ