「閉店後か……うん、それもいいかもな」
俺のつぶやきを同意と思ったのか、美幸は安心した様子で、身体を俺に寄せてきた。
「今日は特別だからね!見つかったりしたら大変なんだから、もー」
ツンとした態度を見せる妹だが、どことなく期待していたようにも見える。俺は胸がざわついた。
「なぁ、美幸。今日の下着、何色だったっけ?」
あれだけ取り乱していた妹も、ごく自然な口調で答える。それは接客の指導書にあるかのように。
「えっとね……今日は、上も下も黒よ。お兄ちゃん、黒系が好きだもんね(笑)」
頬を赤らめながらも、テキパキと答えていく美幸。その間も、兄にずっと尻をスカート越しにさわられているにもかかわらず。
「美幸、もしかして、もう感じてるのか?」
「そんな普通の声で言わないでよっ!うーん、ちょっとドキドキしてるかも」
うつむき加減で答える妹に、俺は閉店まで待ちきれずにいた。軽く店内を見渡すと、お客様相談室のブースを見つけた。これからはじまるプレイに、美幸はまだ知らずにいる。