『うぅっ…っく…ん…』
ピチャ…クチュ…
舌を絡めとられ息ができない。
苦しい。
もうだめ。
思い切り鼻から吸い込んだ空気は自然に開いた唇から漏れる。と、同時に
『はっ…ぁぁ…っ…ん』
生まれて初めて聞く自分の声。
切ないため息に似てるようで全く別の吐息。
『おっ。色っぽいな果歩』
突然離れた直哉は両手の平で果歩の頬を挟むとマジマジと顔を見つめる。
『なによ?見ないでよ』
精一杯の強がりも火照った頬と潤んだ瞳までは隠せなかった。
『そういう所が気に入ったんだよな』
『どういう意味?』
『「好きにしていいの」なんて言う女に興味はないって事さ』
ペロッ
果歩の鼻の頭を舐めて直哉は体を離した。
解放されたがどうしてよいかわからず立ち尽くしていると
『まぁ座れば?』
タバコに火をつけた直哉がクッションを置いた。
(…なんで自分の部屋で指図されなきゃいけないのよ)
不貞腐れた表情でクッションに座ろうと、リボンで結ばれたままの両手を前に突き出し、ぎこちなくお尻を下げていく…ん?
あれっ?なんか…バランス悪くない?
倒れないように慎重に足を動かす。
うんせ。うんせ。
ちょこんと座って一息つくと直哉と目があった。
『なに?』
精一杯睨みを効かせてみる。
あんまり効果はなかったようで。
『あはははっ。恐い顔してもパンツ丸見えだし』
はっ?
丸いクッションにお尻を乗せると膝が立つ。
両膝をくっ付けているが、スカートが捲れて大事な三角地帯は直哉の正面に…
『もぉ…えっち!』
慌てて足を閉じた所で案の定コテンと横倒しになってしまった。
『なんだ?誘ってるのか?』
笑いながらタバコを消し近づいてくる。
『違うに決まってるでしょ!起こしてよ』
『バッカだなぁ。こんな状況で強がって』
果歩の体を伸ばしていく。捲れたスカートも直し、パンティは隠された。
そして。
馬乗りになった直哉に、結ばれた両手を頭上で押さえられる。
『果歩。動くなよ』
直哉の顔から笑みが消えた。
セーラー服のファスナーを下げてゆく。
左右に開いた服の間から、ピンクのブラが表れ…
『なっ…何するの?やめて!やめて!』
足をバタバタしながら必死の抵抗。
びくともしない直哉の体を跳ねのけようとすればする程、直哉に喜びを与えているとは知らずに…