果歩は友達がいないと直哉は言い切ったが、少し違う。
グループ行動が苦手なので、自然に1人になってしまうだけ。
そんな果歩のように浮いていたのが亜子だった。
親友と呼ぶほど仲良しかと聞かれたら返答に困るが、友達だとは思ってる。
つまり唯一の友達。
その友達の好きな人に組み敷かれているなんて。
夢中で暴れている間にブラのホックが外され、ふわりと胸が楽になる。
『果歩のオッパイ本当に大きいんだな』
直哉の大きな掌に包み込まれても少し余る大きさ。
世の男性は喜ぶだろうが、果歩にはコンプレックスでしかない。
浮いたブラの間から入った手は、柔らかく包み込みながらゆっくりと揉みしだき果歩の胸の形を変えてゆく。
散々暴れたせいで少し汗ばんだ肌は掌に吸いつくようだ。
『オッパイは大きいけど乳首はちっこいな』
ぎゅっ。
指先で摘まれる。
『きゃぁっ!』
『敏感だな』
嬉しそうに笑いながらも手は止まらない。
柔らかいが、ほんのり固い…まだ熟していないと証明する胸の弾力を確かめつつ、乳首を転がし、摘み、捻る。
『ゃ…痛いっ!』
『うーん。痛みにも敏感なのか…』
『うんうんうん、痛い!痛い!だからもうやめて?』
女の子の弱さを目一杯アピールするつもりで普段出した事もない甘えた声で哀願する。
『そうだな。仕方ない』
立ち上がる直哉。
(今だ!)
馬乗りから解放されてなんとか起き上がろうと藻掻く果歩。
直哉は机に向かい、そして自分のスポーツバッグから何かを取り出してきた。
じたばたじたばた
…間に合わなかった
『はい。お待たせ』
満面の笑顔で、さっきの箱からシュシュと一緒に放り出されたヘアバンド数本を見せる。
(?意味がわからない…)
ハテナマークを浮かべていると、ヘアバンドをまとめて頭から通され…
猿轡みたいにかまされた。
(んーっ!んーっ!)
『あんま叫ぶとさ、近所の人が変に思うだろ?今ここに人が来たら果歩、どうする?』
…それは困る
こんな半裸姿をご近所に晒すなんて…ありえない!
『な?いいか。目を閉じて自分でしっかり指を組め。動くなよ』
仕方なく言われた通りにする。
左の乳首がヒヤリとした。
思わず開けた目に映ったのは…
銀色に輝く長い針だった。