直哉の住むマンション。
以前、亜子に引っ張られて直哉の後をつけて来た。
ハァ…
大きなため息をつくと部屋番号を押す。
ほどなく自動ドアが開いた。
エレベーターに乗り玄関前までノロノロと歩く。
インターホンを押そう…とした時、玄関のドアが開いた。
『やっと来たな』
明るい笑顔で直哉が出迎える。
『お邪魔します』
小さな声で言いつつ中の様子を探るように奥に目をやる。
『誰もいないから安心しろよ』
(誰もいないから心配なのよ!)
通された部屋はモノトーンで統一され、片付いていた。
(私の部屋よりきれいじゃん!)
『何か飲む?』
『いらない』
早くコレを取ってもらい、帰りたかった。
冷たいお茶をテーブルに置くと直哉はタバコに火をつけた。
『…またそんなものを…』
『あははっ 果歩も吸うか?』
『吸わないに決まってるでしょ!…そんなことより………』
『何?』
『あの…アレを…』
『なんだよ?はっきり言わないとわからない』
ニヤニヤしながら果歩を見る。
『取ってくれる約束でしょ!』
こうしてる間もずっとお尻に違和感を持っている。
『あぁ!それか!』
(分かり切ってるくせに…)
『よし!んじゃ取る準備しようぜ!』
『準備?』
『そ。果歩のオナニーショウでも見せてもらおうかな?』
さっき見た雑誌の記事が頭を巡る…
おなに…オナニー…自慰行為…
昨日以上の辱めを受けるのだろう…
逃げ道はないと覚悟を決めゴクリと唾を飲み込む。
『わかった。やるわ。やるけど…どうするのかわからないの』
『あぁ。やっぱり。俺のベット使っていいから上がって』
…おそるおそるベットに腰掛ける。
『まず「私がオナニーするのを見て下さい」って言ってからだから』
『…わ…私がオナニー…するのを…見て…下さい…』
耳まで赤くなりながら、消え入りそうな声でそう言った。
すると
バチーン!
平手打ちをくらわされた果歩は横倒しになった。
『正座してお願いするんだろ?』
直哉の目は冷たかった…