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その男のチンポは、引き籠りがちのチンポだった。
たとえどんなに艶く女性がいようとも、いかにも欲情をかきたてられる女性に触れられようとも、男のチンポはひっそりと、おとなしく、引き籠るのである。
――男の名は小出年冬(こだし・としふゆ)。
年冬は、自然を愛する田舎育ち、木々や草花に囲まれ、季節ごとの球根を埋めることに楽しみをおぼえてもしかし、己の男根の育て方はいかにも無知のようだった。
その窮屈なチンポはまるで、男の家の庭にひしめくように植えられた木々たちの叫びの象徴であるかのようだった。
男はチンポをそっとにぎり、呟いた。