初めに告白をしたのはミツコのほうだった。
「おなごめ君、ちょっといいかな」
彼の職場である自然派居酒屋〈BONちゃん〉の厨房で日課の玄米研ぎをしていた男の背中へ、ミツコは近づいた。男の手が止まり、振り向く。3ヵ月前、ココヘ働きにやって来た女…たしかミツコと言ったっけ…。僕と同じ20代前半くらいか?カワイイ…娘だな。
「何でしょうか?あ、あと今後は‘ピノキオ’って呼んで下さいね。皆、そう呼んでますんで」
彼は目元をクシャッとさせ微笑んだ。その顔の筋肉の動きで彼のペニスもまた、クシャッと縮み、そして緩んだ。
言葉で表すならば、いわゆるそのチンチンがぶらーんとなっていたのがキリッと表情を変えたのだ。
…チンチンの表情が変わると書くとややこしいかもしれない。しかし案外ペニスというものは口ほどに物を言う生き物なのだ。
「ピノキオ君。あたし、ピノキオ君のことが好きです。よかったらお付き合いしてみない?」
ピノキオがクシャッと微笑む。「えっ、僕なんかでよければ喜んで。いいですよ!」――キリッ。
ピノキオの表情が戻る。
――ぶらーん。
ピノキオは言う。「ご存知かとは思いますけど、見ての通り僕のアソコはココに付いています。つまりコソコソしようもなく、僕のアソコはココに有るのです。
う…ん、と…何て言うか、コソコソさせる必要も無いんだけどね。でもね、ちょっと恥ずかしいよね、あ!ホラ…」
男のペニスはむくむくと腫れ上がって来ていた。
「ア…レレレ、何に感知しちゃったんだろね、恥ずかしいな、コラッ…!」
ピノキオは手のひらで顔の中央を押さえた。