ミツコはピノキオの目をじっと見つめ、問う。「ところで、」
「…ピノキオ君の彼女として知っておきたい事がある。排尿は、どうしてるの」
「オシッコね。勿論ココから出てる。ジョボジョボと」
「そう…ジョボジョボと」
「うん。馬並のオシッコが」
ミツコが言いづらそうに、言葉を選びながら問う。
「その…アレの時はどうしてるの」
「アレ?」
「ん。男の子が興奮する…行為よ」
「マスターベーションの事かな。ココをいじって、勿論ココから出してる。ドピュンドピュンて」
「そう…発射オーライなのね」
ピノキオが照れた様子でポリポリと鼻を、いや、ペニスを掻く。「うん。一見、鼻汁のような白濁液がね、こう、ドピューンて」
ミツコは安堵の表情を浮かべる。「そう…」
「僕は人間と変わらない。嗅覚だって確かにある。何故だか分からないけどペニスがにおいを教えてくれる。だからこうして飲食業を務める事も可能だし、ミツコちゃんからほのかに漂うその香水の匂いも分かる。
…シャネルだろ。すぐに分かった」
「あっ、スミマセン!店長には香水禁止と言われていたのに、あたし…」
ピノキオは困った表情を作り、答えた。
「これからしてこなければそれでいいよ。シャネルの〈チャンス〉は僕は嫌いじゃない…ああ、…その香りに反応してしまったのかもね、もしかすると」ペニスを撫でる。
ミツコは笑う。「あたしも‘チャンス’よ降れ!って願いながら香水を降り浴びてしまったの。でも、ピノキオ君への告白が成功して良かった」
こうして2人の交際は始まったのである。