ピノキオはステンレス製の洗濯挟みを持って来る。その先にはロープがくくり付けられており、輪の部分を両端にあるベッドの脚へ掛けた。
「嫌だ。なにするの」ミツコの視線が動く。
「大丈夫、痛くないよ。敏感過ぎだと痛く感じるかもね…」
そして鈍く光るそのハサミでミツコの乳首を挟んだ。
「…っ!」
「えっ、痛む?そんなに?」ピノキオが覗き込む。
「イヤよ!あたし生理前だからおっぱい張っちゃってるの!イタイッ!もぎ取られそうよっ」
「そのうち快感に変わるよ」
「嘘っ、乳首伸びちゃうし!馬鹿っ!」
「うん、お互いもっと馬鹿になろうよ。馬鹿になっていっぱい楽しくセックスし合おうよ」
ミツコは手足をじたばたさせ、反射的にピノキオの体を押し退けた。しかしピノキオはミツコの両腕を押さえ付け、自由のきかない状態とする。ミツコは唯一自由の許された口で、罵声を浴びせた。
「馬鹿ばかバカッ!こんなのって嫌よ!あたし、ピノキオ君の誠実なトコが好きで、だからこうして何もかも隠さずに出したのよ…!それなのに、こうして遊ぶの?ねぇ?こうやって遊ぶのって、楽しいの?」
「…そのうち楽しくなるよ。…我慢してよ」
そう、呟いた男の眼がここではないどこかに視線を置いたまま冷たく光った気がして、ミツコは少しだけ、恐怖を感じた。