翌朝。
鏡の中の果歩は酷い顔をしていた。
目の下に隈が出来、顔色も悪く、やつれた感じがする。
理由は明白だった。
ついさっきまでオナニーをしていたのだから…
陰核への刺激で何度も快感に導かれるうちに、果歩の穴はヒクついてきた。
あんなに痛いと叫び、藻掻いた場所…肛門が、今度は自ら欲してきたのだ。
果歩は中指を根元まで入れピストンを繰り返した。
(じれったい…じれったい…じれったい…)
果歩の肛門が求めるものは、直哉の手によって限界まで開かされシワの全てが伸びきり、腸の奥まで咥え込むあの苦しさだった。
果歩の細い指では到底味わう事は出来ない。
結局、陰核をこねくり回し、肛門に指を入れながら乳首を捻りあげて一晩中喘いでいたのだった。
まだ身体の芯は燃えている。
が、しかし学校に行かなければいけないギリギリの時間が迫った事でやっと下半身を解放できたのだった…
『おはよう』
『おはよー』
教室に入ると数人が声をかけてくれた。
『おはよ』
はにかんだ笑顔で応える。
ついさっきまでアンアン喘いでいた果歩は消えていた。
『おっはよぉ〜♪』
バンっと肩を叩かれ振り向くと亜子がニコニコしながら立っていた。
『あ…ぉ…おはよ』
あまりの明るさに圧倒されながらも頭の中は目まぐるしく回転する。
(直哉君の事、もう怒ってないのかな?誤解をとく暇なかったけど…)
本当は誤解もなにも言い訳できる事は何一つなく、ましてや事実を説明できるはずもなかっただけ。
亜子は以前と全く変わらない様子で…むしろパワー全開といった勢いで果歩に絡んできた。
『あのね、昨日の夜に直哉君から電話があったんだぁ〜♪』
『えっ?』
『それでね、直哉君…あたしの事、気に入ってくれたんだってぇ〜♪』
『…』
『今日、直哉君と遊びに行くんだぁ〜♪』
『えっ?』
『でね、和輝(かずき)君も来るからさ、果歩も一緒に行かない?』
『…』
『なんか用事あるの?』
『ない…けど…』
『じゃあ決まり♪映画見てご飯食べに行こう♪』
『う…ん』
キンコンカーンコン♪
『ヤバ!先生来ちゃう!また後でね♪』
幸せを振りまく亜子の後ろ姿を見ながら漸く飲みこむ亜子の台詞。
『直哉君、あたしの事気に入ってくれたんだってぇ〜♪』
果歩は憮然としながら乱暴に教科書を広げた。