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美雪とセシリア 5

カスパール 2015-04-03投稿
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 後から考えればこれは、下手をすれば警察沙汰にも成り兼ね無いと言う余りにも危険な賭けであり、本人達も流石に反省はしたモノのまだ未成年であった事や、自分で先に仕掛けた事で柊本人にも一応の自覚は有ったのだろう、全く問題にならなかった。

 そして残った田所一派もまた、教師に呼び出されて厳重注意を受け、その後の高校進学にも影響が出かねないとの判断も有って謝罪をすると共に全ての活動を放棄し、此処に漸く部を巡る対立は解決を見たのだが、やはり美雪本人は何と無く居心地が悪くなり、また心機一転をしたい、と言う思いもあって進学を境に少し遠いが名門の政経へと進む事にしたのだ。

 しかし辛い事はあったモノのやはり新体操が好きだった美雪が高校に入学してからも続けようと、入部をした先で出会ったのが新体操部の顧問であり東欧語学担当のセシリアだったのである。

 まるで大人の嫌らしさが凝り固まった様な高橋という教師の姿に絶望していた美雪にとって彼女はそれとは真逆の、正に追い求めていた理想そのものであり、反対にセシリアから見た少女もまた、不器用な所もあるモノの何事にも一生懸命な可愛い生徒であった。

 互いに惹かれ合っていた二人がこんな関係になるのに時間は掛からなかったがその契機となったのが入学して直ぐの事、土曜日の午後に部活動の後片付けで下校の時間が遅くなってしまった美雪をセシリアが見付け、”危ないから”と声を掛けて、自宅の側まで車で送って行こうとした時だ。

 その日は丁度体育館の改装工場と水道の点検とが行われていた為にシャワーが使えず、前もって告知されていた各員は各々にデオドラントを持参して出来る限り身形を整える様に努めたが、多少ならば兎も角、激しい運動をした者はやはり、その汗を完全に拭い切る事は難しかった。

「でも先生、私・・・」

「ノー・プロブレム、解ってるよ。別に気にしないわ」

 お手本と自分への鍛練も兼ねて部員たちと共にマットやアクロバット等の運動をしつつ、顧問としての指導を行っていた彼女は、少し匂う事を恥じらう少女の気持ちも察してニッコリ笑って制すると、改めて助手席に座る様に促すがセシリアはこの時既に美雪が此処に来た理由、それまでの葛藤も苦しみも全てを聞いて知っており、その苦しみは充分に伝わっていた。

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