(いけない!!)
少女もまた自身に渇を入れると共に、少年と同じ様にして構えるが、すると二人の間の空気がピンと張り詰めて静寂が周囲を支配した。
「・・・・・」
「・・・はぁっ!!」
それを破ったのは早苗であり、俊足を活かして駆け出すと忽ちの内に彼へと肉薄して、鳩尾に一撃を加えるモノのそれはあっさりと弾かれてしまう。
「まだだ!!」
しかしそんな事は想定済みである、その場に留まりつつも尚も連撃を繰り出すモノのそれも全ていなされ、或いは防がれてしまうと今度は一旦距離を取って大きく後退した後、改めて地を蹴って飛翔すると再び距離を縮めてソバットを決めようと試みるが、対する幸人は落ち着き払い、それに完璧に対処して見せた。
自身もほんの僅かに前に踏み込むと両手で素早く相手のそれを掴み、力付くで技を解除させると同時に互いの腕をテコの様に振り動かして彼女の柔肌を自身の鋼鉄の肉体に何度も何度も叩き付けたのだ。
「ぐはぁっ!?きゃぅっ!!」
強い衝撃が全身を貫通して力が抜けるがそれと同時に性的興奮を催して少女の口から歓喜の悲鳴が漏れる。
女性は元々、SとM両気質があるとされており当然、早苗もそうで、時にはセックスの最中に膣を絞めたり、騎乗位等の際に自ら腰を振ったりして責める事もあったが基本Mであり、しかも相手はずっと一途に慕い続けていた思い人であると共に自身を女にした張本人であるため、余計にそれが強く出た。
何よりも幸人にだからこそ激しくされたい、抱かれたいと思っていたのであるが、その強靭な肉体に押し当てられて温もりを直に感じ、更に自分の好きな男の体臭や汗の匂いが鼻孔を突くと意識が痺れて来てしまう。
「はひいいぃぃぃっっ!!?はあはあっ、あ、ああ。ゆ、幸人・・・」
「・・・早苗、本当に平気なのか?」