互いに知らぬ仲では無い、何とか溝を埋めようと双方は話し合いを持ち、和合離散を繰り返していたのであるが、そのお陰もあって暫くは平穏が保たれていたのである。
この間、初等部を終えた二人は自動的に中等部へと進学するが、それまでの鍛練の成果が花開いたのであろう、幸人も早苗も面白いように自分達の能力が伸びると共に周囲の世界への知識も増え、お互いへの理解も深まって行った。
それは生活習慣や趣味、そして性に付いても同様であり、クリトリスやGスポットは勿論、ポルチオ迄の各性感帯の開発も終えた早苗は最早、身も心も完全に幸人のモノとなり、何時も一緒に過ごす様になっていたのであるが、彼等が離れ離れになったのは、正に”これからもっと楽しくなる”と言うその時だった。
遂に両派の決裂が決定的なモノとなって戦運が高まり、予断を全く許さない状態となってしまうが元が少数派で個人の資質や経験、そして戦力差等を埋める事が容易で無いと判断した反主流派の面々は、最悪の場合、企業連合側の私設軍の投入まで検討していたのだ。
それを当時の長老たちが間一髪で看破して防いだモノの、それでも一部の者達は蜂起に成功してしまい、村々の間で武力衝突が勃発してしまう。
丁度その時、幸人と早苗の両親や兄弟を含む村の大人達の大部分は今回の事に絡む協議や謀反者の征伐、そして一部は前からの依頼の為に外へと出払っており、子供達は”危ないから”との理由で留守番をしていたのだあるが、皮肉な事にその留守を預かる番人の何名かが反主流派と同調し、子供達を人質に捕ろうとした。
「守るよ、君を必ず・・・!!」
「うん・・・!!」
情勢を見極める為に隠れた空き家の中で互いに身を寄せ合っている最中に発せられた、少年の力強いその言葉に彼の手を固く握り乍らも少女は何の躊躇もなく頷いたが彼女もまた密かに決意していたのである、”この人だけは絶対に死なせない”、”何があっても守るんだ”と。
そして二人はその通り、迫り来る敵兵から互いを庇い、協力しつつも何とか戦闘地区を潜り抜け、安全地帯を目指した。