あの日からアサミは来なくなった。ボクも仕事が忙しくなり、留守中に来たのかどうかもわからなかった。
気にはなっていた。電話してみようとも思ったが何を話していいのかわからない。メールを…今日は久々に早く仕事が終わったから、思い切って…
『お〜い、元気か?』送信してからしばらく携帯を持ったまま部屋をうろついた。まだ夜7時。仕事してるかも知れない。
ボクはとても落ち着かない。返事は来るだろうか…いや、来るには来るだろうが、どんな返事だろうか…
それより返事をドキドキしながら待つなんてどうかしてる。相手は妹なのに…
携帯が光った!
『元気よ〜ん』
短かぁ…それだけ?少し待ってみようか…まだ会社かも…
一時間待っても携帯は光らない。
『まだ仕事なのか?』『今デート中』
……
あれからひと月も経ってない。
あれはなんだったんだろうか…
アサミはあれは悪夢だと思ったのだろうか…
吹っ切るために男と付き合ってんだろうか…
相手に嫉妬する資格はボクにはない…ドラマの真似して、一人でうなづいて、ほほ笑んだ。
…ボクはまだ台所にあったサキイカをしゃぶった。