ボクは中途半端だった。なにかわからないが、アサミにメールしなきゃ。オレだって彼女がいるんだぞって言ってやろうか、なんてことまで考えてる…
『彼氏とうまくいってるか？』
『うん。多分』
『多分？』
『今から行っていい？』
アサミが来る。あのにくたらしいアサミが。ずっと考えてたアサミが…
遠慮勝ちなノックだった。ボクはぎこちなく迎えてやった。
そそくさとテーブルを出して、コーヒーをいれてやった。
「久しぶりだな…」
恥ずかしそうに笑いながらボクを見る。その仕草がいちいちかわいい。
「どうした？ケンカでもしたのか？」
違うよ、と笑って台所へ。
「あら、まだあるの？物保ちがいいわね」
またサキイカ咥えてる。「オレ嫌いだもん」「捨てればいいじゃんこれっぽっち」
「また…お前が来るかな…と思って…」
「ひょっとして、待ってた？」
冗談半分で聞かれると…でも
「待ってたよ」
マジで答えるなんて…「お兄ちゃん…」
「なに？」
「私…」
アサミは突っ立って動かなかった。
ボクは台所に立つアサミに近寄った。
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