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美雪とセシリア 34

御法屋 金帯 2015-05-13投稿
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 しかも更にもう一つ、実は透香もまた、伸子達同様に”ヘッジ・スパック”と言う百合系同人サークルを主宰していて(しかも彼女の場合は正々堂々”R-18”であります)、別にこれは趣味の範疇であったし、また会社の業務にも何の影響も及ぼしては居なかったから別に処罰の対象とは成らなかったモノの、一般人から見た場合”オタクかよ”となってもう一段階、評価を下げてしまう事が確実な情勢であったのだ。

 ましてやアダルトな表現を使う同人作家は、プロに比べて縛りが少ない分暴発し易く、一般人から見た場合”変態”、”最低”、”何考えてんの!?”と言う目でしか見られないモノ(実際その通りかも知れないが・・・)を描く事が、”かなり”大半な訳である、しかも彼女自身もそんな(表現も独自と言うか際どいと言うか)アダルト街道まっしぐらな、変態百合ビッチ作家の様な立ち位置におり、とてもでは無いが皆から受け入れられる事など、考えられる訳が無かった。

「今じゃ受け入れられてる、って言ってもそれは一時期に比べればってだけの話です。それも、どちからと言えば興味本意でですよ、まともに付き合ってくれる人ってまだまだ少ないんじゃ無いかな」

 斯く言う織香や透香自身、そんな世界に興味を持ち始めたのは相当後になってからであり、それまでは”同人なんて下らない、あんなのは多少は絵が上手いだけで、結局はプロに成れなかった連中や、成るだけの根性が無い奴等が集まって、互いの傷を舐め合ってるだけだ”と断罪しており、見向きもしなかった。

 だが彼女自身が好きなカップリングも確かにあり、自分でもその事を良く考えては妄想に耽っていた訳だが、この空想少女が漸くにしてオタクへの第一歩を踏み出したのは最早、その作品自体のブームが去って熱も衰え切ったかな、と言う正にそんな時だったのだ。

 それ以降そちらの(多分に人として間違った)方向へも意識がちょいちょい向くようになり徐々に、純愛、変態、鬼畜等色んなモノがある事を知ったのである。

「私はね、純愛系が好きなんだ。だから鬼畜系統の連中の作品なんざ、一冊だって買わなかったよ、少なくともそうだと知って買ったモノなんて絶対に無かった」

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