天文大帝カレルディウスがそれまで共和制だった古代ロマーリオを本格的な帝国制へと改めたのが今から凡そ二千五百年前、そしてそれが衰退して滅亡したのが凡そ千八百年前である。
その後、帝国だった地域は幾つかの小国に分裂していったがそれらの内、西側半分を纏めて自らの国”フランキード”としたのが覇王シャルルマーニュであり、予てよりカレルディウスとロマーリオとに強い憧憬を抱いていた彼はだから、まるでその軌跡をなぞるかのようにフランキードに極めて強い帝国制を敷いた。
それが今から千七百年ほど前であり、その後三百年にわたって栄えたものの結局は滅亡、やはり幾つかの地域に分裂して行ったがしかし、それら国々が滅んだとしても、そこに君臨していた帝室や王家、そして民族までが滅び去った訳では決して無く、彼らは新たに国を興したり、または各地の有力者達に請われて王となり、その血脈と伝統とを後世に伝えて行ったのだ。