「はあっ、はあっ!!」
「はあはあ・・・っ」
互いに血まみれ傷だらけで着ている服も衣服もボロボロであるがしかし、尚も体力を残している少年に対して男はかなり苦しそうだ、それに全身を覆うアザや打撲の跡も彼とは比較にならなかったが、これは全て、目の前にいる小さな戦士によって付けられたものであり、彼の攻撃が如何に凄まじかったのかがよく分かる。
事実、男は押されていた、戦闘開始から僅か五分で早くも勝負は着こうとしているように見受けられた。
「たあぁっ!!」
「ぬありゃぁっ!!」
気合い一閃、二人は互いに最後の攻撃を繰り出そうと跳躍してその結果、決着は着いた、少年の怒りの拳が男の胸元、心臓部分に深々と突き刺さったのである。
「ぎゃはああああああああああああああっっ!!!?」
全ての大本を貫かれたシュバルツは断末魔の叫びを発しつつ、奈落の底へと消えて行くが、少年はそれを肩で大きく息を付きながら眺めていた。