「はーい、じゃあね!!」
「ソウタ・・・」
驚く親子とは対照的に蒼太と呼ばれた少年はホッとした表情で立ち上がると針を回収して母親と思しき人の待つ、四階へと昇って行ったがそんな彼の後ろ姿を見ながら、少女は少年の名前をポツリと呟いていた。
「ソウタ、ソウタだったよね、確か!!」
「う、うん、そうだけど。でも君は・・・?」
「もうっ。ちゃんとお礼をしたかったのに、どっか行っちゃうんだから!!でもそっか、私も名乗って無かったね・・・」
そう言うと少女は蒼太に向き直り、ニッコリと笑って自己紹介をする。
「私はメリアリア、メリアリア・カッシーニよ。よろしくね、ソウタくん!!」