思想は違えども元は仲間であるし、また秘密組織内部での同士討ちは余りにもまず過ぎたために、無憂派の人々は何度か仇明派の面々に対して説得を試みた、しかし。
「府抜けどもが」
「黙っていろ!!」
彼らからもたらされる答えは毎度のごとくそれであり到底、まともな話し合いなど望むべくもなかったのである、しかし。
「いかんよ、このままでは」
「万が一、諸外国に付け込まれるようなことにでもなれば・・・」
それを危惧したエルフォード達は尚も粘り強く交渉を続けたものの結局は、分裂は収まる兆しを見せずに事態は深刻化の一途をたどった、しかし。
流石の彼らも“同士討ちはまずい”と言う点では一致していたために辛うじて内乱勃発は食い止められていたものの、このまま行った場合、事態がどう転ぶのか、解らない情勢となってしまったのだ。