「てめぇ…」
アヤメが薫につかみかかる
「ハルカに何してんだよっ!」
「何って…抱き合っただけさ。愛し合ってるんだから当然だろ?」薫は顔色も変えずに言った。
「何が愛し合ってるだよ…なら何でハルカの体に傷がある!?抵抗した印だろっ!!なんであんなに震えてる!?お前が無理矢理…」
「じゃてめぇは何なんだよッ!!!」
薫がアヤメを殴った。アヤメは口を切ったらしい。血が出ていた。「人の女に手ぇだしやがって…」
「アヤメ…!」
ハルカは駆け寄る。
「ごめんっもぅいいよ…アヤメが傷付くの見たくないよ…アヤメ…別れよう…きっと私達幸せになれないよ…だってアヤメをこんなに傷付けて…」
「ハルカ」
アヤメは鋭い目で、しかし優しい目でハルカを見つめる
「俺はハルカが欲しい…本当に側に居てほしいんだ。だから例え傷付こうがこんなの平気なんだよ…」
そして立ち上がり薫を睨んだ。
「何でハルカは浮気したと思う?…お前がかまってやらなかったからだろっ!?ハルカに寂しい思いさせたからだろっ!!彼女さえも守れねぇくせに何が彼氏だッ!!」
薫はハルカを見た。ハルカはずっとアヤメを見ていた。愛しそうな目で―――\r
酷いよ…そんな目で俺を一度も見てくれなかったじゃないか――――――――――
「分かったよ」
薫は下を向いた
「ハルカはお前にやるよ…でも!」
薫はアヤメにつかみかかる
「一度でもハルカを泣かせてみろっ!?絶対にてめぇを許さないしハルカを奪いに行くからなッ!!」
薫の手が震えていた
「そんな事分かってるよ…」
アヤメが静かに答えた―――――――\r
その五年後―私達は結婚した。でもその二年後にアヤメは事故で死んでしまった………犯人はまだ捕まってない
でも―――――アヤメが残してくれた宝物がある――――――――
「ママぁ」
そう私達の子供、綾香だ…顔は少しアヤメに似ている。
私は綾香を抱きかかえた。今日は二人で花見に来ている
「桜…綺麗だね〜」
綾香がにこにこ笑う。
悲しいこともあったけどこれからもあなたとの大切な命を守る為私は生きる。
好きだからあなたを忘れない
好きだから―――――――――これからもあなただけを愛すわ――――――