“夢見の法”で先を見た事もあり、ルーカスは無憂派の人々を説得し、完全では無いにしても彼を始めとする過激派の台頭を封じ込み続けた、そうすることが自国のみならず、他の周辺諸国にまで恩恵をもたらすことになると見抜いていたからだ。
やがてそれが間違いでは無かった事が明るみに出る時がやって来るがアディアット、ファンダール両家を始めとする幾つもの個人、市民団体の要望を受けて国が調査を開始したところ、それまでシュバルツの行ってきた横領や殺人等の悪事の数々が明らかとなり、ルーカス達は逃げられないようにと証拠まで突き付けて彼のグループを糾弾したのだ。
しかしそれ位で膝を屈するようなシュバルツでは無かった、彼は追い詰められると逆上して自らを捕縛にやって来たシャドウスキルの戦士数名を逆に返り討ちにして逃走、そのまま隣国であるアンナスカヤへと亡命を図った、ところが。
それを阻止したのが蒼太の父、亮太郎であったがシュバルツと一対一で対峙した彼は平然とこれを制圧して捕縛に成功、そのまま彼を留置場送りとするものの裁判の結果、本来ならば死刑となるところを多大なるネームバリューとそれまでの国に対する貢献度が認められ、多額の賠償金を支払うことで辛うじて一命を取り留めたのである。