相手がセフィアリアだと見るなや否やコーネリアが思わず舌打ちするものの彼女とてシュバルツが一目置くほどの女戦士である、孤高の女王に注意しつつも後ずさり、窓ガラスと一直線の位置を取る。
まともにやり合っても勝ち目のないであろうセフィアリアとの対戦よりも彼女をけん制しつつ校庭へと跳躍し、そのまま逃走した方がまだ助かる可能性が高いと判断したのである、しかし。
流石は百戦錬磨のセフィアリアである、コーネリアのそうした考えなどとっくにお見通しであり前もって増援を要請して学園の周辺を固めさせると同時に愛弟子のメリアリアを逃走ルートと目される地点の上に配置させていた。
「この学園に仇明派のスパイがいる、と聞きましてね、調査させていただきました。流石に苦労しましたよ、仲間を疑うのにも、あなたの尻尾を掴むのにも。何度も流した偽情報にも食い付いて来てくれませんでしたし、それに仲間もいたようですしね」
でもね、と話を続ける孤高の女王の瞳はいっそ冷たく冴え渡っており、その眼光は鋭さを増して行った。