(ハア、ハアッ。こ、このままではやられるっ!!)
金髪碧眼の姫騎士からの息も付かせぬ連続攻撃に耐え切れなくなったのであろう、徐々に押され始めてコーネリアは距離を取ろうと後退るがその瞬間、漸くにしてハッキリと気が付いたのだ、体が思うように動かずに、それどころかまるで鉛の枷か何かを付けられたように重く、反応が鈍っていると言う事に。
(おかしい。まだ体力は有り余っているはずだ、少なくとも子供に負けるわけがないのに・・・)
「ハア、ハアッ。さ、酸欠か!?」
しまったと思った時には、もう遅かった、メリアリアの放つ雷炎は単に攻撃の為のみならず、こちらを消耗させる手立てでもあったのだ。
現にそれらの発する爆音と衝撃波はコーネリアの目と耳とを眩ませて感覚を狂わせると同時に攻撃のタイミングや距離感をぼやかして命中精度を著しく低下させ、彼女に余計な消耗を強いた、即ちコーネリアが自棄になればなるほど、この小さな女王の術中に嵌ってしまった、と言える。