だから、と彼は息子達を励ました、“厳しくても頑張りなさい”と。
しかし理屈は解ったものの、それでも蒼太は嫌で仕方がなかった、何故かと言えばそれは、訓練中の父は確かに細心の注意を払ってはくれるものの、同時にいつもとは違っていて“鬼か?”と思うほどの徹底的なしごきを彼らに課したからである。
特にそれが顕著だったのが“乱取り”と呼ばれる立ち稽古だ、これは本当に酷くて子供達がボロボロになり、立てなくなるまで続けられたが蒼太も二人の兄も、この訓練で実際に肩を脱臼したり、腕や足の骨をへし折られたり、挙句には肋骨にひびを入れられたりと、散々な目に合っていた。
「実戦で骨が折れて、手加減などしてくれる敵がいるかっ。むしろチャンスと見て一気呵成に攻めかかって来るぞ、立てっ。立つんだ蒼太、相手から目を離すな、素早く回復させろ!!」