しかしそれでも亮太郎は手を緩めずに、余計に激しい攻撃を加えて来たが、それには理由があった、と言うのは彼ら一族は代々、肉体の頑健さと蘇生、回復の魔法に長けていて、熟練した者ならばどんなに大けがを負ったとしても、十秒から二十秒あれば大抵、修復してしまう。
また場合によっては自らの命を相手に分け与えることにより、倒れ伏したる人々を完全な形で蘇らせる事すら可能としていたものの、これは下手をすれば自らの命を使い切ってしまう事にもなるために、高い実力は勿論、対象者への強い思いと覚悟とが必要となるのだ。
それらを早い時期から使いこなせるようにする事もまた、この訓練の眼目には含まれていたのであるが、その甲斐あって六歳になる頃には彼等はいずれも一般人とは一線を画すほどの戦闘力や体力、持久力を有するに至っており、特に反射神経と運動能力は驚異的な伸びを示していたのだ。