なぜこのタイミングで、と言えばそれは、真白の本当の両親である“アマルフィ夫妻”を始めとする、彼女の一族たちが国の上層部に働きかけたからに他ならなかったが、昔から神学や神智学を修め、また様々な呪いや秘術に通じていた彼らはここ、ロマリオのみならずヨーロッパ全土にそれなりの財力と影響力とを持っており、それを駆使して周囲を説得して回ったのだ。
彼らとすれば、長い間一人ぼっちにしてしまった娘を手元に置いて育てたい、キチンとした教育を受けさせてやりたいの一心からであったがしかし、一方ではそれは必ずしも真白の喜びには結びつかなかった、彼女からしてみればせっかく留火という名のボーイフレンドが出来て友達にも恵まれ、学業においても“さあこれからだ!!”と言う矢先の出来事であったから、なおさら衝撃が大きかったのである。
「私、ずっと留火と一緒にいたい・・・!!」
「うん・・・」