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アルビレオ36

エレクチオン 2018-06-02投稿
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「それではごきげんよう。行きましょ、エヴァリナ」

「ええっ?あ、はいビアンカお姉さま・・・」

 変わってしまった彼女の態度に戸惑いを覚えて立ち尽くす留火のすぐ横を、颯爽と挨拶しつつも真白が通り過ぎて行くが、するとそれを見たエヴァリナと呼ばれた少女もまた、彼にペコリと会釈をすると慌てて彼女の後を追う。

「・・・・・」

(いったい、どうなってるんだ・・・?)

 その姿を見送りながら留火の頭の中はフル回転していた、まさか自分の事を忘れてしまったのか?いいやそんなことは無い、だとすればほんわずかな出来事と言えどもあの時の真白の表情の説明が付かないのだ、では一体何が?

「お姉さま・・・」

「・・・・・」

 一方でこちらも先ほどのただならぬ様子が気になって仕方がないエヴァリナが、歩きながら何度も真白に話しかけるがしかし、やがてはその横顔を見て思わず黙りこくってしまう。

その時の真白は、明らかにそれまで見せたことのない程の、屈託のない明るい笑顔をのぞかせていたのだ、そう、まるで天真爛漫だった少女の頃のように―。

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