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アルビレオ38

エレクチオン 2018-06-02投稿
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 この地に転校してきてからと言うもの持ち前の明るさと負けん気、そして根性でたちまちの内に人望を博し、尚且つ総合成績も全校で常にTOP10以内と言う心身ともにずば抜けた能力、高潔さを保っていた彼女を女王達は放ってはおかなかった、今から六年ほど前に学院の地下一キロの地点に存在していた“秘密の礼拝堂”において事情を説明され、且つ本物の“グラン・ルグラン”に触れた彼女はだから、“一緒に戦って欲しい”、と言う先達の願いを、断る事が出来なかったのだ。

 そう、真白はあの時、留火と別れてから今日に至るまでずっと純潔を守り続けており、また世間一般からすればややとうがたってはいるものの、彼を思うその姿はまさに乙女そのものだったのだ、しかし。

 問題は別にあった、それはそれでよかったのであるが、クイーン・オブ・レガリアス就任を始めとするここに来てからの厳しくて抑圧的な生活は、彼女に恐ろしい程の自制心をもたらした、要するに“素直じゃなくなってしまった”のだが両親であるアマルフィ夫妻は確かに優しくて心ある存在だったがしかし、同時に作法に対する厳しさは暖燗達の比ではなく、少しでも間違えると“それではだめだ”と指導された。

また一族がここ、ヨーロッパではそれなりに有名な家柄だったことも手伝って彼女は常に身振りや生活態度、そして学業の習熟に注意を払わねばならなかったのであるがしかし、そんな生活を繰り返すうちに真白はすっかり人に対してある程度の距離感と言うか警戒心を持つようになり、安心して自らをさらけ出すという事が出来なくなってしまったのだ。

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