「・・・落ち着いた?真白」
「はあ、はあ、はあ・・・。う、うん、もう平気、ありがとう留火・・・」
嘘だな、と留火は思うが敢えて黙っていた、そう言って平静を装う彼女だったがその頬は紅潮して目はトロンとなり、体は汗でぐしょ濡れだった。
ソワソワとして落ち着きがなく時折、両手を股間へと持って行ってそこを抑える仕草を見せるが、しかし。
「全然、もう平気。ごめんね、せっかく会えたって言うのに、私、風邪でも引いちゃったのかな・・・」
(違うよ・・・)
さすがに悪いと思いつつ、それでも心の中では突っ込まずにはいられない留火であったが彼が自身の体質について知ったのは今から凡そ五年ほど前、ちょうど中学に上がったくらいの時の事だ、いつものように鍛錬をしていると一段落した所で父祖に呼ばれ、そこで自身の特異体質について知らされたのだ。