アニタが陸軍の基礎訓練を行うための施設、“士官学校”を卒業してからまだ一年と経っていないが、にも関わらずに少尉に任官されて横須賀へとやって来たのはそれだけ彼女が優秀だったからである。
どれくらい優秀だったかと言えばそれは、通常ならば実地での戦闘を経験する事を込み込みで大体4〜5年かかる過程を、わずか三年足らずで終了してしまうほどに、だ。
断っておくが軍隊とはどこの国のモノでもそれほど甘い所ではないから、彼女の凄さは本物だった、と言う事になるが一方の歩美はと言うと、確かにまだまだこれからの伸びしろはあるにしても、それでも最終的にアニタと肩を並べられるかどうかについては些か疑問を禁じ得ない。
ただし、こと格闘技についてならばそれは十分に可能なくらい、ポテンシャルを秘めてはいたのだがそれもまた、アニタの被虐心をくすぐるのに十分だった、戦った手ごたえとその気迫からこの少女に光るものを感じたアニタは、友誼を結んだ次の日から早速、電話やメールのやり取りを開始して頻繁に彼女に会うようになって行く。
週末になると二人でどこかへ出かけたり、一緒にトレーニングをして汗を流したり、模擬戦をやってり、と言う事を繰り返していたのだがある時、この大柄な筋肉美女は、いよいよ無垢な空手少女をモノにするべく行動を開始した。