が、その中身はと言えばやはり、外見と同じく天然ユルフワな部分も確かにあったがしかし、その一方で頭の回転は速くて勘も鋭く、中々に侮れない存在だった、現に留火は真白とのことは秘密にしていたし、また体育倉庫に連れ込む際にも誰にも見られていないことを確認していたにも関わらず、数日間で“何かあった”と嗅ぎ付けられてしまったのだ、まさに恐るべきは女の勘だったと言う他ない。
「本題はここからなんだけど。あなたの腕を試させてほしいの」
「どうやって?」
「なぜですか?って聞かないんだ」
「・・・・・」
「いいわぁ、君。留火君だっけ?お姉ちゃん、気に入っちゃった!!」
冷静を保って相対する留火の周囲を移動しつつ、ナナミがキャピキャピと話しかける。
その側では一緒に呼び出された真白が、心配そうに事の成り行きを見守っていた。