それこそが大津国流の格子であったが不運にもナナミは、その継承者と一戦交えてしまったのであり、その凄まじさを嫌と言うほど味わう事となった。
それこそが大津国流の格子であったが不運にもナナミは、その継承者と一戦交えてしまったのであり、その凄まじさを嫌と言うほど味わう事となった。
「はあ、はあ、はあ、はあ・・・っ!!」
「・・・・・っ!!」
(す、すごい・・・っ!!)
二人の戦いを見ていた真白は驚愕の余りに固まってしまっていた、あのナナミが、自身の姉貴分であり最も優れた剣術使いであったはずのナナミが、何一つできずに追い詰められている。
何一つ、とは文字通り、防御も攻撃も何一つだ、それには位置を変えるための移動までも含まれるが留火は彼女が何かしようとすると、その一瞬先に動いて機先を制し、ナナミを吹っ飛ばしてしまう。
その攻撃の速さと鋭さと言ったら無かった、何しろ感覚を総動員しても彼の木刀がナナミのレイピアと接触する、その一瞬を捉えるのが精いっぱいであり、他の事は知覚すらできない。