それを受けて留火から発せられた言葉にナナミは愕然となり、反対に真白はキョトンとした顔をするが正直、ナナミが本気を出していなかったとは考えにくかった、あの追い詰められた必死さが演技だとはとても思えなかったからだ。
「ナナミ・・・」
「・・・合格ね」
ナナミは今度こそ本当に参った、と言った顔でそう告げるが、自分が足を悪くしていることは現役のレガリアス、即ち真白達にさえ秘密にしていた事だったのに、それをこの少年はたった一度の手合わせで見抜いてしまった、正直、どれほどの力を隠しているのか、底が知れない。
「ごめんなさい、いきなり食って掛かったことを謝罪するわ」
「いいえ・・・」
「あなたにならば、ビアンカを任せられる。この子の事をよろしくね」
「はいナナミさん、誓って」