真央先輩は私の唇を愛撫するだけで、他へと進んでくれない。
私は自分の胸がうずいてくるのが我慢できない。
アソコから、こみ上げてくるものもあって、
(お願い、先輩、私のアソコをどうにかして)と叫びたくなってくる。
こんな濃厚なキスを受けて…キスだけで止められては気が変になってしまう。
「せ、先輩…」私は、か細い声を出した。
「何!?」はっきりと、真央先輩はそういうと、私から、さっと身を離した。
――何で、何で離れてしまうの…私は何も言えずに俯く。
真央先輩は髪をかき上げると、ポケットからケータイを取り出した。
私に横顔を見せて、メールを打っている。
まるで、今、あった事が嘘か夢のような空気を漂わせて。
強く、妄想よって今、真央先輩に言われたら、私はそう思ってしまうかもしれない。
「せ、先輩…」
「何よ、言いたいことがあるなら、ハッキリ言いなよ」
真央先輩はメールを打つ手を休めずに言い放つ。
もう私はどうしていいのか分からない…
(先輩、もっとやって)なんてとてもじゃないけど言えないし…。
メールを打ち終わったのか、先輩はケータイをスカートのポケットへしまった。
「さ、帰るよ」
カバンを肩からさげて、真央先輩は私の横を通り過ぎ、ドアに手を掛けた。
その時、私は自分でも気付かずに泣き声を上げてしまった。
うっ、うえ〜んと子どものような泣き方で、その場にうずくまってしまった私。
真央先輩はドアを開けるのをやめて、私を見下ろしている。
「ごめんね、潤子、私どうかしてたよ」
――そうじゃなくて、先輩、そうじゃないんです…そんな事、とても言えない私。
(もう一度、キスして…)その言葉が出てこない、弱気な私。