「亀山りるなー…?亀山は欠席か?」
ザワザワと騒ぐ教室で、些夜は目を閉じる。
りるなのキモチを大切にしなきゃ…大事な大事な人だから。
HRが終わり、休憩に入る。
1‐C教室―\r
「智貴ぃ〜呼び出しだぞっ★★」
「……は?」あの子は確か…りるなの友達の…?
「…大切な…大切なお話があります」
「確か…あなたはりるなの友達…ですよね?」
「はいっ。…あたし…りるなちゃんにはすっごく感謝してるんです。今のあたしがいるのは多分…りるなちゃんのおかげですから」
なんて幸せそぅな笑顔だろう。その時の些夜は、どんな常識にも感情にも囚われない優しい顔をしていた。
「実はあたし…小心者で…この高校に入っても新しい友達作れるかすっごい不安だったんです…中学は遠い所だったから中学の友達もほとんどいないし。」淋しくて、弱い自分が嫌いで、でも勇気が出せなくて…。
『ねぇっ!些夜ちゃん一緒におべんと食べない???』
「そぅ…入学して一週間たったあの日、りるなに会うことが出来た。あの時りるなが声をかけてくれた事がもぅどんなに嬉しかったか…」
『ねぇ、さやちょって呼んでも良いかなぁ?』
大好き…りるなが大好き。ずぅっと忘れられなくなって、目で追いかけるようになって。
いつの間にか、りるなに対して「恋」という感情が芽生えた事に気がついた。
「あたしにとって…りるなはこの世で一番大切なんです。だから…」
だから…りるなが泣いてる所なんて見たくない。傷つけた人は、絶対に許さない。
でも、わかる。
この人も本気でスキなんだ…目が『愛してる』って言ってるもの。分かってしまうよ。今日泣いていたのも、心が動いている事も、知っている。
だからこそ…
「りるなを…幸せにしてあげて下さい」