「え…っ?幸せにって…なんで…」
些夜は虚ろな表情から一変して明るい顔になる。
「藤井君りるなの事スキなんでしょお?あははっ!バレバレですよっ!分かりやすいんだなぁ」些夜は明るく笑い飛ばす。
「ともかくっ!あたしは応援してますからねっ♪りるなを幸せにしてあげて下さいよ〜ではっ!」
グイッ!「お…おいちょっと待っ…」
智貴が些夜の手を掴む。
パシン!
「……っ」
些夜は走り去る。
「もしか…して…」
智貴は見てしまった。些夜の泣いてる表情を…
『あたし…っ拓也が好き…!拓也以外と一緒になるなんて…っ考えられない…!』
『美咲…俺も愛してる!俺と…結婚しよう…』
『アハハーウフフー』
「…なんっかムカつくんだよなぁ」
学校を休んだりるなは5時の再放送を見ていた。いつもはドラマのラブシーンを見るだけで、晴れ晴れとした気分になるのに、今日はダメだった。
「あたし…何してんだろ」こんな自分大嫌い。
『ピーンポーン』
「…最悪…パジャマなのに。」りるなはしぶしぶ玄関へ向かった。
『ガチャ』
「どちら様で…っ!さっ…些夜!?どうしたの?」
「ううん…大したコトじゃないんだけど…ちょっと寄ってみよっかなぁって思って」
…なんか些夜元気ない?いつもと違うし…笑顔もぎこちない気がする。
「まっまぁ上がりなよ!立ち話もなんだし」「うん。ありがとっ」
こくん…「美味しいねこのコーヒー」
「些夜…なんかあったでしょう!」
「…なんかって?」
「だって元気ないじゃないっ。哀しい事があったんじゃないの?」優しいりるな…どうしてそんな眼であたしを見るの…?何も知らないから?ごめんね…昨日あんな事言わなかったらあなたを傷つける事も無かったのに。
「あたし…些夜がスキだから。些夜が不安だとあたしも不安になっちゃうよ。ちゃんと相談して…?」
最後に…神様…今日だけりるなの恋人にして下さい…
「…?さや…!んんっ…っ…っっ〜…」
…淋しい…