『珍しいですね、両手骨折なんて…』
病院で先生に呆れられた。
一旦実家に帰ることも考えたが、学校も休めない、と言うことで、ボクが世話することになった。
「洗浄便座買うわよっ!」
「え、ええ?」
「なによ、この手でどうすんのよ。」
確かに。姉ちゃんのうんちなんか見たくない。病院の帰りに電器屋で即決して、その日の内に取り付けた。
「ふろはどうすんの?」
「友達に頼むか…」
「友達がダメな時は?」「うるさい!そん時はあんたが洗うのよ!」「え、ボクが?」
ボクは一気に妄想が駆け巡った。姉ちゃんの裸…はだか…ハダカ…「とにかく、あんたはしばらく姉ちゃんの奴隷だからね!」
姉ちゃんのおっぱい…オッパ…「ちょっと!聞いてんの!ばか!」「聞いてます」…ウソ\r
でも、両手が使えないのは、思った以上に大変だった。背中がかゆい、髪といて、着替え手伝え、見るな、腹減った、食べさせろ、足がくさい(関係ないけど)、などなど、ボクもくたくただ。
「あんたのせいだから仕方ないでしょ!」
「ボクだけのせいじゃないよ。」
「運転へたくそだからよ!」
またいつもと一緒…