風呂はこんな状態なので、毎日は諦めたようで、三日目には友達が来てくれた。でも、やっぱり気兼ねで、いくら同性でも、相当恥ずかしいらしい。翌日からなんかイライラし始めた。
「なんか気持ち悪いわ。毎日風呂くらい入れないもんかしら。」
「ボクが洗ってやろうか?」
「ばーか!嫌だよ。」ボクは、けなされたチャーハンを健気に姉ちゃんの口へ運んだ。
姉ちゃんはもしゃもしゃと口を動かしながら、何度も溜め息をついている。
「拓也、明日から絶対ズボンで行くからね。」
「なんだよ、トイレに困るって言ったじゃん。」
「電車で痴漢に遭ったらどうすんのよ!」
「大声出せばいいじゃん。友達と一緒なんだろ?」
ふーむ…眉間にしわを寄せて思案してる。
「あ〜!もうやだ!なんでこんな苦労しなきゃならないのよ!全部あんたのせいだからね!」
また始まった。
「ほんっとイライラする!もうチャーハンやめてよ!」
「まだ残ってるけど…」
「いらないよ!」
「じゃ明日は何にする?」
「知らないわよ!考えなさいよ、そのぐらい!」
なんか、可哀想とは思うけど…ボクも可哀想だと思う。