「…っんん〜…っ」
声も出せないほどの激しいキスだった。些夜の舌がりるなの口中を味わうようにじっくりと舐めてゆく。
『ピチャ…ジュルッチュ…ル…チュッ…ビチャッ…チュル』
「ぁ…っんっ!んん〜…っっゃ…っん」
何…?どうしたの些夜?でも…何も考えられなくなっちゃう…些夜…っ
些夜「んっ…っ」
二人の唇の間から、唾液が漏れ出す。つぅ…っとりるなの頬をつたって流れ出して行く。
ピチョン…
「!…ぁ…あっ!」
熱い唾液がりるなの胸元に落ちた衝撃で、唇が離れる。
「はぁ…っ。はぁっ…は…んっ」
荒々しく息をつくと、些夜はうずくまってしまった。
「…些夜どうしたの?やっぱり何かあったでしょ。言ってよ!」
「…っう…ひっ…ぅ…ぁ…たし…りるなに幸せになって欲しい…」
些夜……?
「辛そうな所なんて…っ見たくなくって…離したくないけど…仕方ないと思っ…て…。藤井君の事で悩んでるのも知ってる…から…今日…会った…」
ドキッ―\r
気付かれていた…些夜はとっくに気付いていたんだ…
「りるなを…手放してあげなきゃっ…て…自然と口が開いてた…幸せにしてあげて下さい…って言ってしまったの…でも…やっぱり無理ぃ…りるなを手放すなんて…あたし生きて行けないよ…っぅ…」
ああ…なんて
愛しい…目の前にいる些夜が、どうしようもなく愛しく感じた。
こんなにも優しくて、淋しくて、頑張っていて、愛おしい…