「何やってんの奈美?」晃が静かに言った
「なんでもないっ綾香が待ってるから行かなきゃ!先生…心配しないで。そんな事しなくても誰にも言わないから」
奈美はごし?と涙をふき勝の方も見ずに走り出した。
部屋には晃と勝だけが残った。
勝は少し放心状態だった。
勝が言いよった女は皆簡単に落ちた。なのに奈美は違かった。それにあの目…初めて触れたいと一瞬思った…この気持ちは…?
「てかさ〜」
勝は我に帰る
「どうかと思うんだよね〜生徒にキスとかやばくない?」
「お前っ!…見て…」
「もち俺も言う気ないよ。奈美に迷惑かかるから…」
急に晃の目つきが鋭くなる。
「俺今彼女くどいてる最中なんだ。そっとしておいてくんない?奈美は俺のモノにする…絶対に。中学の時に見てからずっと好きだったから…あんなも奈美好きなら受けて立つけど?」
「…まさか」
もういつもの冷静な勝に戻っていた
「…どーだか」
晃は戸を閉めて出ていった。
「…………奈美」
一人教室に残る勝は唇にそっと手をそえた。
キーンコーンカーンコーン………
「よぉし帰るぞ〜☆」
奈美はワザと明るく振る舞った。もちろん綾香に何かあった事はバレている。しかし綾香は奈美から言わない限りは何も聞かない。でも何か言えば必ず親身になって話を聞いてくれるのだ。
奈美も今はまだ何も言いたくなかった。
「なぁ…」
振り向くと晃が居た。「なに?」
「少し目腫れてるよ」
「気のせいじゃない?」奈美は目を隠す。それに晃と目は合わせたくなかった。
晃の目は中までみすかされてる気がして怖い
「奈美…」
「てかいつのまに呼び捨て?」
「来て」
「無視かよっ…て、ちょちょっとぉ〜!!!」