翌日、ギブスが取れた。姉ちゃんは一応、彼氏とよりを戻し、今頃はデートに違いない…夕方六時…ボクは晩ご飯の仕度もする気にならない。もう六月…窓の外はまだ明るい。
「ただいま」
「あれ…デートは?」「会ったよ。今日はリハビリ行って遅くなったんだ。」
なんだ。ちょっとうれしい…
「お風呂わいてる?」「あ、まだ…」
「飯は?」
「いや、まだ」
「なんにもしてないの?もう六時だよ」
「ごめん」
「いいよ。今日はピザでも注文しよ。」
助かった。正直なんにもする気にならない。姉ちゃんとボクは久しぶりにテレビを観ていた。この二か月半、二人でわいわいやってたので、二人でテレビを観るようなことはなかった。
「彼氏、どうだった?」
「どうって、普通だよ。今日はちょっと会っただけだし」
「謝って来た?」
「うん」
「許してやったんだ」「え?まあね。彼の過ちはかわいいもんだから。誰かさんと違って…」
グサッ…
「…ごめん…」
姉ちゃんはニヤッとして追い討ちをかける。「誰かさんは手の不自由な女の子にいたずらするんだもんね」
「…ごめんてば…」
ボクは真っ赤になってうつむいた。
「いじめないでよ」