『好きになんてならなきゃよかった!!』
鈴は木村に抱きついた。
『でも…好きで好きで…どうしようもないの…グスッ…胸が苦しくて……もうどうしたらいいか分かんない…』
「俺も…鈴が好き…でも…」
『じゃぁ他の女の人の事なんて考えないでよ…私だけを見ててよ…』
「…でも…こんな俺じゃ鈴を幸せにできない…ごめん…」
『…やだ…私先生が居ないと駄目になっちゃうよぉ……』
鈴は木村にしがみついた。そんな鈴を振り払って眉間にシワを寄せ「ごめん…」
木村は立ち上がり倉庫から去って行った。
『せ…せんせぇぇ…ウゥッグスッ…』
鈴はその場でうずくまっていつまでも泣いた。
どのくらい泣いただろうか。腫れた目をこすりながら鈴は木村と初めて出会った海に来た。
ザーッザーっと波の音。振り返れば大好きな木村先生がいつもは居たのに…もう居ない。
(ずっと側に居てほしかった…。でも無理なんだね…。隣に木村先生はもう居ない。)
鈴は砂浜に座り声を出さずに泣いた。
『先生…私、先生居ないと生きていけない…』
鈴は海に来る途中コンビニで買ったナイフを出した。両手で持ち、一気に腹に刺した…。
グサッッ
『ぅっ…』
腹からは血が流れ、波の音が聞える中意識は遠くなってゆく。
(大好きな先生…本当に愛してた。今までありがとう…)
鈴の頬に大粒の涙が溢れ鈴は砂浜にゆっくりと倒れこんだ。
「鈴!!!!!!」
誰かが呼んでる…。意識がもうろうとしてるなか鈴は名前を呼ぶ人をぼんやりと見た。見ると息を切らしながら必死に走ってくる木村先生だった。
『先生…』
「バカヤロ!!!!!何してんだよ!!!!!」
木村は鈴を抱き起こした。
『先生…』
鈴はゆっくり目を閉じた。
「鈴!!!!!鈴!!!!」
木村は涙を流しながら
「鈴!!!!!目を開けてくれよ!!!!」