絢子はニッコリ笑って、返した右手を吹雪に向ける。吹雪がコホンと、わざとらしい咳払いをし、ピシッと正座をして、反省点をあげる。
「え〜、台詞間違えた点と、テンポ乱れさせるようなアドリブをした点が、今回の反省点です。迷惑かけてごめんなさい」
ペタンと土下座をする。そして顔を上げ、「次、佐倉君」
「えーと、毎度の事ですが、カミカミ、それから、声が小さい、あがり性、です。毎回改善されてなくてごめんなさい」
絢子も吹雪と同様に、ペッタリと土下座をする。そして顔を上げ、一言。
「じゃあ、次回も頑張りましょう!」
絢子が、右手をグーにして上に上げようとした瞬間、吹雪が深刻そうな顔で口を開いた。