「奈菜!!!奈菜!!!」
淕が寝てる奈菜をゆすって起こす。
『んん゛…にゃにぃ?』
奈菜は目をこする。
「何寝惚けてんだよ。」
『りくぅ…?花火大会は?』
「さっき終わって帰ってきたとこ。ま、それよりこっちこいよ!!!」
『ちょ、ちょっとぉ』
淕は奈菜の腕を掴んで庭に出た。『淕〜?』
「目つぶれよ」
『はぁ?』
「はぁ、じゃねぇよー目つぶれって言ってんだよバカ」
奈菜は仕方なく言われるまま目をつぶった。
「手出して」
奈菜はヒョコっと手を前に出した。そして手の上にドサッと何かを置かれた。
「目開けていいよ」
奈菜が目を開けると袋に詰めた一杯の花火があった。
「今日奈菜、花火大会行けなかったろ?だから花火買ってきてやったんだ」
淕はちょっぴり照れくさそうに言った。
『りくぅ…ウゥッ…うれじぃょぉ…』
奈菜は淕の優しさに嬉しくて泣き出した。そんな奈菜をみて淕はオロオロ。
「バ、バカ!泣くなよ〜〜」
『だってぇぇ…うれしいよぉぉ』
ワンワンバカみたいに泣く奈菜の頭を淕はクシャクシャ撫でた。
『泣くなって!ほらっ花火するぞ!!!』
淕と奈菜は一杯の花火で何時間も遊んだ。
『淕!!!見てこれ!!すっごい綺麗だよ〜!!!』
「おぉ〜!!!まじ綺麗だなっ!!!」あまりに楽しすぎて時間を忘れる程だった。